転写・印刷について
メッシュカウントと印刷品質
スクリーンのメッシュカウントと印刷品質は密接な関係があることはスクリーン印刷の版で触れましたが、なぜ印刷の精彩さとメッシュカウントが関係するのかをご説明します。
次のような高低2種のスクリーンを準備し、同じポジフィルムをもちいて製版・印刷をする場合について考えます。
まず同じ線数の網点を製版すると下図のようになります。
低メッシュカウントの版では乳剤(図中緑色で表現)のドットが、広いオープニングから脱落してしまいます。また、乳剤の穴は太い紗に阻まれて穴としての機能を失います。このため、この版を使用して印刷(図中赤色で表現)すると網点が間引かれた状態で仕上がってしまいます。一方、高メッシュカウントのスクリーンを使用する場合、高密度の紗がすべての乳剤のドットを保持し、乳剤の穴に関しては穴よりも線径が細いため、すべての穴は穴としての機能を確保できます。これにより印刷の仕上がりはほぼ狙い通りになります。
次に細線について見てみましょう。同じ線幅、ピッチをもった細線をそれぞれ製版すると下図のようになります。
低メッシュカウントの場合、太い紗にふさがれる距離がながくなるため、印刷結果は波線になってしまいます。一方高メッシュカウントの場合、ふさがれる距離は比較的短いため狙い通りの実線印刷されます。
以上のようにメッシュカウントが高ければ高いほど画像の再現性は良くなりますが、その一方で印刷の膜厚が薄くなるため色調の再現性が悪くなります(印刷膜厚が薄いと濃い色が出せないので)。また高メッシュカウントのスクリーンほど高コストになります。こうしたデメリットもあるため、求められる品質に最適なメッシュカウントのスクリーンを選定することが必要になります。