近年の石油化学・着色加工技術の発達により、私たちの身の回りには有機インクを用いた 石油化学製品があふれています。
これは陶磁器の世界も例外ではなく、一見本物の焼き物 に見える陶磁器でも実は表面にプラスチックがコーティングされており、これに着色してある ケースが見られます。
これら有機物による着色加工は手軽で安価な半面、有機物であるが 故に耐候性・耐久性に劣るという欠点をもっています。

時空を超えたメディアとしての陶磁器

一方、陶磁器等の焼き物で伝統的に用いられている無機顔料は、100%ガラス・金属で できているため耐候性・耐久性にきわめてすぐれており、半永久的に発色し続けます。 数百年前の骨とう品が当時のままの発色で現代まで残っているのはこのためです。  無機顔料によって着色加工した陶磁器はその美しさを半永久的に保ち続ける、まさに 時空を超えるメディアなのです。