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お役立ちコラム

印刷業者選びのコツ|スクリーン印刷のメリット・デメリットとは?

印刷の注文をする際に大切なことは、まず何をいくつほしいのか?を明確にすることです。
これさえはっきりしているのであれば、あとはいくつかある印刷方法のなかからご自分の要望に一番あった方法を選び、印刷業者を選定することが出来ます。

ここでは、印刷方法を選ぶ際にポイントとなる特性をわかりやすくご紹介します。

印刷方法の種類

活版印刷

活版印刷は凸版を使った印刷技法の一種です。文字や図版を凸状に彫った金属や木製の活字を組み合わせて版を作り、インクを付けて紙に転写します。15 世紀のヨーロッパで開発され、長い歴史を持ちますが、現代では主に芸術的な印刷や特別な出版物に使われることが多く、一般的な印刷技術としてはオフセット印刷やデジタル印刷に取って代わられています。

グラビア印刷

グラビア印刷は、凹版印刷の一種で、細かい濃淡を表現するのに優れた印刷方法です。特に写真や雑誌などの画像の再現性に優れており、色の濃淡を綺麗に表現できます。しかし、版代が高く、デザインの線が細いと擦れる可能性があるなどのデメリットもあります。

オフセット印刷

オフセット印刷は、最も一般的に使用される印刷技術の一つです。版に描かれた画像やテキストがまずゴムブランケットに転写され、その後さらに紙(等の被印刷物)に転写されます。このプロセスにより、インクが均一に分布し、高品質な印刷が可能となります。大量印刷に適しており、新聞、雑誌、書籍、ポスターなど幅広い印刷物に利用されます。コスト効率が高く、高速で生産できるため、商業印刷において主流の技術となっています。

スクリーン印刷

スクリーン印刷は、メッシュ状のスクリーンを使ってインクを転写します。スクリーンには、印刷したいデザインの部分が透過できるようにステンシルが施されています。インクはスクリーン上をスキージで押し広げられ、透過部分から基材(紙、布、プラスチックなど)に塗布されます。
他の印刷方法と比較して圧倒的にインクの塗布量が多い為、印刷に耐久性、機能性等が求められ
る場合に活躍します。

インクジェット

インクジェット印刷は、インクを微小な液滴として紙や他の基材に直接噴射する印刷技術です。
デジタルデータから直接印刷するため、版を作成する必要がなく、短時間で高品質な印刷が可能です。
カラー印刷や写真印刷に優れ、家庭用プリンターから商業用大型プリンターまで広く利用されています。多様な素材に対応でき、ポスター、バナー、包装、アート作品など多岐にわたる用途があります。

それぞれの印刷が得意なこと

それぞれの印刷が活躍する場面

活版印刷は、現代ではデジタル印刷やオフセット印刷に取って代わられている部分も多いのですが、文字やデザインに独特の質感や立体感が生まれるため、他の印刷方法では得られない風合いや魅力があります。そのため、特別な場面や高級感を演出したい場合に好んで使用されます。

  • 特殊な印刷物
    • 招待状や結婚式の招待状
    • 高級な名刺
    • 手作り感やレトロな雰囲気を出したいカードやはがき
  • 芸術作品や限定版
    • アートブックや詩集の限定版
    • アーティストやデザイナーによる手作りの作品
  • 教育・展示用
    • 歴史的な印刷技術を学ぶための教材やワークショップ
    • 博物館や展示会での実演や展示
  • その他の特別な印刷物
    • 特別なイベントやキャンペーン用の印刷物
    • 高級感や独自性を重視したブランドのパッケージやタグ

グラビア印刷は、写真やイラストなどの高解像度の画像を高品質に再現することができるため、色の再現性が求められる印刷物に適しています。また、大量生産に向いており、印刷速度が速いことも特徴です。そのため、包装材や雑誌など、品質と大量生産の両方が求められる場面で広く利用されています。

  • 包装材の印刷
    • 食品パッケージ(お菓子の袋、スナックのパッケージ、飲料のラベルなど)
    • 化粧品や医薬品のパッケージ
    • 洗剤や日用品のパッケージ
  • 雑誌やカタログの印刷
    • ファッション雑誌や高級雑誌の印刷
    • 商品カタログや通販カタログの印刷
  • 装飾用印刷
    • 壁紙の印刷
    • 贈答用の包装紙やギフトバッグの印刷
  • その他の商業印刷
    • 高品質な広告ポスターやディスプレイ用ポスターの印刷
    • 大量生産が必要な高品質な印刷物(例:宝くじ券や高級カレンダー)

オフセット印刷は、高速かつ大量の印刷が可能であり、印刷品質も非常に高いため、多くの商業印刷において標準的な手法として広く利用されています。

  • 大量の印刷物が必要な場合
    • 書籍や雑誌の印刷
    • 新聞の印刷
    • カタログやパンフレットの印刷
  • 高品質な印刷が求められる場合
    • 写真集やアートブックの印刷
    • 高品質なポスターやポストカードの印刷
  • 商業印刷
    • 広告用のチラシやリーフレットの印刷
    • 会社の名刺やレターヘッドの印刷
  • 包装材の印刷
    • 商品のパッケージやラベルの印刷
    • 飲料缶や食品パッケージの印刷
  • その他
    • カレンダーや手帳の印刷
    • 地図やガイドブックの印刷

スクリーン印刷は、多種多様なインクを扱うことができるため、金・銀やラメ等、他の印刷方法では再現が困難な色調や質感を印刷することが出来ます。印刷の塗膜も厚いため、非常に濃い色や、全く光を透過しないバックアップを印刷することも出来ます。扱えるインクの種類も多いので、紙やフィルムはもちろんのこと、陶器・ガラスや布製品、または電子回路など様々な場面で活躍します。

  • 陶器・ガラスへの印刷
    • 陶磁器製品、ガラス製品、ホーロー製品、タイル等
  • プラモデルのデカール
    • 水転写式デカール
  • 布製品への印刷
    • T シャツ、パーカー、エプロンなどの衣類
    • 布バッグやトートバッグ
    • 布製のバナーや旗
  • プロモーション用品
    • ノベルティグッズ(ペン、ステッカーなど)
    • 宣伝用のポスターやバナー
    • 広告用のパネルや看板
  • 産業用印刷
    • 電子基板やキーパッドの印刷
    • 自動車部品や機器のラベル
    • 家電製品の表示パネル
  • アートとデザイン
    • アートプリントやポスター
    • デザイナーによる限定版作品
    • 壁画やインスタレーションアート
  • 包装材の印刷
    • パッケージのロゴやデザイン
    • 化粧品や食品の容器

インクジェット印刷は、版を必要としないことからイニシャルコストがかからない一方で、印刷速度が非常に遅いこともあり、小ロット向けの印刷に適した印刷方法といえます。また非常に小さいインクの液滴を飛ばすという特性上、インクの硬さや性質と精密なプリンターヘッドの機構がマッチしていなければならないので、一つの印刷機で対応できるインクは1種類となっているのが一般的です。印刷する対象に触れずに印刷することができるため、凹凸や多少の高低差がある素材も扱えるため、完成している商品にワンポイント印刷するといったようなノベルティーの世界でしばしば用いられます。また、大型の広告のような、サイズが大きく小ロットの案件でも活躍します。

  • プロモーション用品
    • ノベルティグッズ(様々な商品)
    • 広告用のパネルや大型看板
  • 産業用印刷
    • モック品

印刷方法と画質

インクジェット以外の方法は基本的に網点を使って濃淡を出します。網点にもさまざまなものがありますが一般的には AM スクリーンという網点を使います。網点は整列した点の集合で、各点が大きくなったり小さくなったりすることで見た目の濃淡を表現しますが、インクジェットはランダムに描画した同サイズの点の密度で濃淡を表現します。

AM スクリーンをつかった網点は滑らかなグラデーションが表現できますが、インクジェットはザラッとした砂目感がやや残ります。

AM スクリーンの精細さは線数によってあらわすことが出来ます。単位は「 lpi(ラインパーインチ)」といい、AM スクリーンの網点が1インチ(2.54cm)に何列並んでいるかを表します。
この数値が大きいほど一つ一つの網点は細かく、高精細と言えます。

一般的に 150lpi あたりから肉眼で網点をみるのは難しく、数値が大きくなればなるほど網点は見えなくなってきます。それぞれの印刷方法毎に表現できる線数には限界があります。

オフセット印刷: ~ 300lpi 以上
グラビア印刷: ~約 300lpi
スクリーン印刷: ~約 200lpi
活版印刷: ~約 150lpi

印刷する材料や、インクその他の条件、印刷業者の技量により限界値はことなります。印刷をオーダーする際はあらかじめ確認しておきましょう。

それぞれの印刷方法の生産能力

印刷方法毎にだいたい時間あたりどれくらい印刷できるのかは決まっています。グラフィックを印刷する場合、オフセット印刷や、グラビア印刷は4色を使ったフルカラー印刷を行う設備が導入されていることが多く、1時間あたり数千枚印刷を完了することが出来ます。印刷設備は長大で、10 数メートルを用紙が並んで出てくる(グラビアの場合はロール・ツー・ロール)ため条件出しに多くの捨て刷りを要します。このため大ロット向きと考えられます。
スクリーン印刷はフルカラー印刷もありますが単色機の場合が多い為、1時間あたりの処理数はオフセット印刷やグラビア印刷に比べて少なくなります。但し、条件出しの捨て刷りは印刷設備が短い分少なく済みます。
インクジェットは多くの場合、他の印刷に比べて印刷速度は極端に遅くなりますが、条件出しの手間はほとんどかからないため、大型サイン等の極少量の印刷に向いています。ただし、印刷する対象が小さく、面付してたくさん一度に刷れる案件では量産機として使用する場合もあります。

まとめ

以上の通り、印刷方法からそれぞれの得意不得意等について、印刷方法を選ぶ観点でご紹介しましたが、これ以外の印刷もありますし、印刷業者さんごとに得意な分野がちがったり、設備している印刷機の台数もまちまちなので、処理できる数量も違います。
印刷を業者さんにオーダーする場合は何をどれだけほしいのか、また品質にこだわりがある場合は、どんなところにこだわりたいのか(色?精細さ?)、(インクジェットでなければ)希望する線数なども伝えられると良いでしょう。