転写・印刷について
イングレーズとオングレーズ
陶磁器表面にかけられている釉薬のことを「グレーズ」といいますが、絵柄がこの釉薬に埋没している(又は、絵柄の上から釉薬がかけられている)ものをイングレーズと言い、絵柄が釉薬の表面に描かれているものをオングレーズと言います。
転写で絵付けする場合のそれぞれの特徴は次の通りです。
●イングレーズ
・焼成温度が高い→製造コストが比較的高い
・絵柄が釉薬に埋没しているので絵柄が落ちにくい
・絵柄がややぼけて見える(これを風合いが良いととらえる場合もある)
●オングレーズ
・焼成温度が比較的低い→製造コストが安い
・絵柄が釉薬上についているのでスクラッチ、耐薬品性等イングレーズより劣る
※但し、昇華転写等の有機物を用いた加飾よりはるかに堅牢
・絵柄がシャープに見える
酸化と還元
窯業における焼成方法は酸化焼成と還元焼成に分けることができます。
●酸化焼成:有酸素雰囲気中で焼成。このため、釉薬中の鉄分等が酸化し、淡黄色~黄褐色を呈する場合があります。
●還元焼成:プロパンガス等を炉内に充填し、低酸素雰囲気中で焼成。このため、釉薬中の酸化成分は酸化せず、発生した一酸化炭素によって酸化物が還元され、白く焼きあがります。